川のなかをのぞいてみよう!(転載2/3)
水がゆるみ始めると、我れ先にと川へ飛び込む川ガキたち。
水中メガネや箱メガネと呼ばれる昔ながらの道具越しに広がる、キラキラと揺らめく眩しい世界。
川のなかへ入り、これら光景をいったん眺めてしまうと、川ガキでなくても川遊びの魅力にやみつきになってしまうだろう。
泳ぎながら水中を眺める子がいれば、じっと動かずに眺めている子もいる。
川底を歩く小さなエビや身体のまわりを泳ぐ魚をみつけては、川ガキたちは仲間を呼び、歓声をあげる。
そして、水のなかにもかかわらず大きく口を開けて笑うのだ。
どんなことも最初は小さな好奇心から始まる。
大人だったら見過ごしてしまうような小さな生きものにも関心を持ち、不自然な姿勢でいることすら気付かず、何時間でも水中を眺めている川ガキ。
夢中になって水中を眺めている川ガキを見かけるたび、ぼくはなんだか幸せな気分になる。
「川のなかをのぞく」ことは、特別な川遊びではないけれど、きっとたくさんのことを得ているのに違いないと、ぼくは思うのだ。
写真説明
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顔だけを水につけ、同じ姿勢でいること数分間。
そんなに集中していったい何を見ているの?
ぼくも気になって、彼のマネをして水深30センチの川のなかをのぞいてみた。
水面の揺らめきが川底に映り、とても幻想的な光景が目に飛び込んできた。
なるほどこれはキレイだなぁ。
でも、うーん。腰が痛い。
ママレード5月号(2003年5月1日発行) より転載
2004.10/25