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“アクアマリンふくしま”で写真展をやります!

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昨日、福島県にある「アクアマリンふくしま(財団法人ふくしま海洋科学館)」から電話がありました。
写真展の告知が解禁になったとのこと。

なので、お知らせいたします。

今夏、7月15日(金)から9月25日(日)の期間、福島県いわき市にある上記水族館にて川ガキ写真展を開催いたします。

あ〜スッキリした。
口に貼ってあったガムテープがやっととれたような、ホッとした感じ。
大袈裟かな(笑)

太平洋に面した小名浜港に建つ「アクアマリンふくしま」は、ガラス張りの素敵な建物をした水族館です。
特徴のある建築もとても素晴らしいのですが、ぼくがいつも感心するのは各展示内容。
国内には大小さまざまな水族館がありますが、ここの展示は子どもたちに対しての環境教育がしっかりとなされ、それが見るものに伝わってくる展示となっています。
この姿勢が「アクアマリンふくしま」の個性といってもいいかもしれません。
そのような水族館にて川ガキ写真展を開催できること、本当に嬉しく思います。

さて、今年で3年目となる川ガキ写真展ですが、今夏の展示はこれまで行ってきた写真展と全くの別物といってもいいかもしれません。
まだ詳細を決める段階まで進んではいないのですが、「アクアマリンふくしま」の“ある場所”を使い、空間インタレーションをする方向でアイデアを練っています。
写真展という枠を超えた展示になる予定です。

『宝探しをしているときのドキドキとした興奮』、『宝物を見つけたときの喜びや感動』、そして『風や水に触れたときのような心地よさ』、『昔のアルバムを見たときのような懐かしさ』、これらを感じていただけるような展示を目指します。
どうぞご期待ください。

*旧ブログより*

2005.1/20

ココニシカナイモノ

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熊本県を流れる川辺川を撮影した写真展が、来月末から大阪・心斎橋の「カメラのナニワ」本店5階ギャラリーにて始まります。
タイトルは『ココニシカナイモノ〜川辺川という流れの上に』。
会期は11月26日(金)から12月5日(日)まで。
9月末に熊本県人吉市で開催した同タイトル・同作品による写真展です。

写真展の舞台となる川辺川は、日本三大急流として知られる球磨川最大の支流です。
九州中央部を連なる脊梁山脈・国見岳に端を発する全長62kmの流れは、泉村と五木村を貫流し、相良村にて球磨川本流と合流。
合流点下流には球磨焼酎の産地として人気のある人吉市が広がり、川辺川が注ぎ込んだことで勢いを増した球磨川は、白く泡立つ瀬を繰り返し、不知火海(八代海)へ注ぎます。

ぼくが初めて川辺川を訪ねたのは、10年ほど前のこと。
第一印象は「水量が豊富にある上に、驚くほど水質が綺麗」というもので、俗にいう一目惚れといってもいいかもしれません。
東京から出掛けるには、ちょっと躊躇してしまうほど遠い川ですが、それでも出掛けるに値する川のひとつかなと。

それからというもの、毎年のようにこの川へ出掛けています。
カヌーを漕ぎ、水中メガネをつけて川を潜る。夜は河原でキャンプ。
といった遊びを川辺川でどれほどしたことだろう。
ここ数年は、“川ガキ”や“川を取り巻く風景”の撮影が出掛ける目的になりましたが、川辺川に会いたいという思いは相変わらずです。

川辺川へ通いはじめて、一冊の本と出会いました。
毎日新聞人吉支局に赴任していた福岡賢正さんが書かれた『国が川を壊す理由(わけ)−川辺川ダムは誰のためか(葦書房刊)』が、1994年に出版されたのです。

「おどま盆ぎり 盆ぎり 盆から先ゃ」で始まる、寂しい旋律と歌詞で知られる「五木の子守唄」をご存知でしょうか?
この唄の故郷である五木村を水没させ、下流の洪水防止と農業用水確保を目的に計画された川辺川ダムをジャーナリストとして正面から取り上げたのが福岡さんでした。
渾身のルポルタージュです。
この書籍には、川辺川ダム計画の問題点や事業の正当性を疑問視する言葉があふれていました。
丹念に取材し、調べ上げ、新聞での連載を経て書籍になった福岡さんの文章には説得力があり、一気に最後まで読んだ記憶があります。

ダム計画が発表されてから38年が経ち、時代は大きく変わりました。
この間、五木村の水没予定地では、そのうち水没するからと家の建築もままならず、道路拡張などの公共工事からも取り残されてきました。
水没予定地からの移転を終え、新しい生活を始める人たちがいます。
また一方では、変わらぬ暮らしを望む方たちも少なくはありません。
ダムは水没予定地の方々だけでなく、下流域で漁を生業とする人たちにも暗い影を落としてきました。
そして漁業組合内や地域を賛成派と反対派に分け、それまであったコミュニティーを壊してきました。
ダムはまだ出来ていません。

空を映し、この瞬間も川辺川は流れています。
そしてダムを巡り今日まで大きく揺れ続いてきたこの川に、今年ももうじき冬がやってこようとしています。
季節の移ろいのなかにある何気ない光景、静かな時間。
どこにでもありそうな風景だけれども、ひとりひとりの心になかにある、ここにしかないもの。
いつまでも大切にしたい風景。
それらを写真展で、ひとりひとりが感じていただけたら幸いです。

*旧ブログより*

2004.10/26

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