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ベトナムの“川ガキ”

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2006年の元旦は、ベトナムにあるカントーという街で迎えました。
この街はメコンデルタ最大の都市でありながら、メコン川をはじめ、数え切れないほどのクリークが存在し、暮らしのなかに存在感を持って「川」が生きている街だと言えるかもしれません。
できることなら、移り住んでもいいな。と、思ったほど、カントーに滞在した数日はとても充実とし、得るものが多かった旅となりました。
折りをみて、この街で見たこと、感じたことを記したいと思います。

2006.1/19

なさい星人

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「地球のたまご」での写真展設営のため、浜松へ向かったときのこと。

朝7時に東京駅を発った新幹線車内では爆睡。
静岡駅に停車し、車内が騒がしくなったことで、やっと目覚めました。
でも、まだまだ身体は寝ボケ状態。
再び眠り込んでしまわないように、耳に付けていたイヤホンを外してiPodを仕舞い、なんとはなしに車内に充満する賑やかな話声を聞いていると、通路を挟んだ隣席の声がひときわ目立っているのに気付きました。

隣席に座っていたのは、小さな男の子と女の子と母親の3人。
気になった声の正体は子どもではなく、母親のものでした。

「ペットボトルをちゃんと持ちなさい」
「ちゃんと座りなさい」
「よしなさい」
「やめなさい」
「〜なさい。〜なさい。〜なさい」

母親は1分間に何度も「〜なさい」という言葉を口に出し、その言葉は途切れることなく続きました。
男の子は無邪気なもので、何回も「〜なさい」と言われても、新幹線の旅に興奮し、楽しくて仕方ないって感じ。
ぼくには、子どもたちがちゃんと座っていたように見え、ペットボトルを持っているように見えたんだけどなぁ。
ペットボトルのことで注意された女の子は、少し怒ったような顔で「もういらない」とふてくされていたようでした。

嫌でも聞こえてくる注意や命令を促す言葉のオンパレードに、こちらまでもが気分が悪くなってきます。
「あの〜、一番うるさいのはお母さんなんですけど」と、口に出掛けたところで浜松駅が近いとの車内アナウンス。
日常的に抑制されて生きていくのって、けっこう辛いよなぁ。

2005.9/ 6

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