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川のなかをのぞいてみよう!(転載2/3)

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水がゆるみ始めると、我れ先にと川へ飛び込む川ガキたち。

水中メガネや箱メガネと呼ばれる昔ながらの道具越しに広がる、キラキラと揺らめく眩しい世界。
川のなかへ入り、これら光景をいったん眺めてしまうと、川ガキでなくても川遊びの魅力にやみつきになってしまうだろう。

泳ぎながら水中を眺める子がいれば、じっと動かずに眺めている子もいる。
川底を歩く小さなエビや身体のまわりを泳ぐ魚をみつけては、川ガキたちは仲間を呼び、歓声をあげる。
そして、水のなかにもかかわらず大きく口を開けて笑うのだ。

どんなことも最初は小さな好奇心から始まる。
大人だったら見過ごしてしまうような小さな生きものにも関心を持ち、不自然な姿勢でいることすら気付かず、何時間でも水中を眺めている川ガキ。

夢中になって水中を眺めている川ガキを見かけるたび、ぼくはなんだか幸せな気分になる。
「川のなかをのぞく」ことは、特別な川遊びではないけれど、きっとたくさんのことを得ているのに違いないと、ぼくは思うのだ。


写真説明
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顔だけを水につけ、同じ姿勢でいること数分間。
そんなに集中していったい何を見ているの?
ぼくも気になって、彼のマネをして水深30センチの川のなかをのぞいてみた。
水面の揺らめきが川底に映り、とても幻想的な光景が目に飛び込んできた。
なるほどこれはキレイだなぁ。
でも、うーん。腰が痛い。


ママレード5月号(2003年5月1日発行) より転載

2004.10/25

“川ガキ”とは一体なんぞや(転載1/3)

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川ガキって知ってる?
と聞くと、たいていの人は「川で捕れる牡蠣(カキ)?」と答える。
でも、それは間違い。
川ガキとは、セミの鳴き声が響く季節になると、『水辺に集まってくる子ども』のことなのだ。

岩や橋から水面に向かって飛び込む子、魚を追いかけるのに夢中になる子、競いあって泳ぐ子など、遊び方は千差万別。
遊び場も一ヶ所ではなく、浅瀬や川の深いところなど、その時の気分で決まる。
夏休みには毎日のように川へ通うから、真っ黒いカラダをしているのが特徴だ。

川ガキが生息しているところには、きまって“かつて川ガキだった大人”がいることが多い。
釣りや井戸端会議をしながら、水辺で遊ぶ子どもたちをニコニコと笑って眺めているのだ。
ときには魚捕りの先生に変身するけれど、いつもはただ黙って見守ってくれている。
「なんだか自分が遊んでいるような気分になれるんだ」
白髪のおじいさんが子どものような笑顔で教えてくれたのが、とても印象的だった。

川から人が遠ざかり、川が忘れ去られようとしている。
都市に限らず、生活のなかで川との接点が希薄になり、川本来の流れを想像することが困難なせいかもしれない。
あたり前のように水辺を遊び場とする川ガキにしてみれば、川を忘れるということはあり得ないこと。
忘れることは、大切な玩具を捨てることと一緒なのだ。

遠い過去の光景ではなく、今もニッポンの水辺に生息する元気な川ガキたち。
そのイキイキとした笑顔に接するたび、大人になって失いかけた何かを思い出させてくれるような、懐かしい気持ちになるのはぼくだけだろうか。


ママレード4月号(2003年4月1日発行)より転載

2004.10/24

転載をはじめるにあたって

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昨春創刊された『ママレード』という雑誌をご存知でしょうか?

3〜6才の子どもを持つ母親が対象読者ということで、育児に関する内容が大半を占める雑誌です。

子育て中でもお洒落をしたいし、美味しいものを食べたい。
母親たちのそんなあたり前の欲求を満足させるべく、その手の情報を紹介する一方、親子で自然と関わる面白さや大切さをテーマに掲げた雑誌です。

自然から離れたところで子どもを育てることに、漠然とした不安を感じる母親が少なくないといいます。

だからなのかもしれません。
創刊にあたって、“川ガキ”のフォトエッセイの連載依頼を受けました。

答えはもちろん「やります。やらさせていただきます!」。

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2004.10/24

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