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“川ガキ”とは一体なんぞや(転載1/3)

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川ガキって知ってる?
と聞くと、たいていの人は「川で捕れる牡蠣(カキ)?」と答える。
でも、それは間違い。
川ガキとは、セミの鳴き声が響く季節になると、『水辺に集まってくる子ども』のことなのだ。

岩や橋から水面に向かって飛び込む子、魚を追いかけるのに夢中になる子、競いあって泳ぐ子など、遊び方は千差万別。
遊び場も一ヶ所ではなく、浅瀬や川の深いところなど、その時の気分で決まる。
夏休みには毎日のように川へ通うから、真っ黒いカラダをしているのが特徴だ。

川ガキが生息しているところには、きまって“かつて川ガキだった大人”がいることが多い。
釣りや井戸端会議をしながら、水辺で遊ぶ子どもたちをニコニコと笑って眺めているのだ。
ときには魚捕りの先生に変身するけれど、いつもはただ黙って見守ってくれている。
「なんだか自分が遊んでいるような気分になれるんだ」
白髪のおじいさんが子どものような笑顔で教えてくれたのが、とても印象的だった。

川から人が遠ざかり、川が忘れ去られようとしている。
都市に限らず、生活のなかで川との接点が希薄になり、川本来の流れを想像することが困難なせいかもしれない。
あたり前のように水辺を遊び場とする川ガキにしてみれば、川を忘れるということはあり得ないこと。
忘れることは、大切な玩具を捨てることと一緒なのだ。

遠い過去の光景ではなく、今もニッポンの水辺に生息する元気な川ガキたち。
そのイキイキとした笑顔に接するたび、大人になって失いかけた何かを思い出させてくれるような、懐かしい気持ちになるのはぼくだけだろうか。


ママレード4月号(2003年4月1日発行)より転載

2004.10/24

転載をはじめるにあたって

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昨春創刊された『ママレード』という雑誌をご存知でしょうか?

3〜6才の子どもを持つ母親が対象読者ということで、育児に関する内容が大半を占める雑誌です。

子育て中でもお洒落をしたいし、美味しいものを食べたい。
母親たちのそんなあたり前の欲求を満足させるべく、その手の情報を紹介する一方、親子で自然と関わる面白さや大切さをテーマに掲げた雑誌です。

自然から離れたところで子どもを育てることに、漠然とした不安を感じる母親が少なくないといいます。

だからなのかもしれません。
創刊にあたって、“川ガキ”のフォトエッセイの連載依頼を受けました。

答えはもちろん「やります。やらさせていただきます!」。

でも、悲しいかな。
創刊から一年を経たずして、休刊となってしまったのです。
連載はというと、3号までの3回で終了。
部数立て直しのため、4号から誌面や編集方針が大きく変わり、連載が中止となる結果になりました。

やるからには一年は書き続けたいと思っていました。
なので打ち切りの連絡をいただいたときは、さすがに落ち込みましたよ。
しかし、こればっかりは仕方ありません。
運が悪かったのか、ぼくの文章が悪かったのか。

様々な分野や指向の雑誌が、書店にずらっと並んでいます。
次々と新しい雑誌が創刊されていくなか、消えてなくなる雑誌が多いのも事実。
実際、創刊3冊目で廃刊になる雑誌も珍しくはありません。
内容的につまらない雑誌のことを“3号雑誌”と揶揄する言葉もあるぐらいです。
すぐに消えてしまうという意味で。

と、過去のことを嘆いていても、何も始まらない。
明日から『ママレード』掲載の文章&写真の転載をはじめます。
つかれたココロには、元気な“川ガキ”の笑顔がよく効きます。

なお、転載文章は元原稿のままではなく、多少手を加えます。

*旧ブログより*

2004.10/24

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