40年目の夏の日に
本日、熊本県を流れる川辺川に建設が進められているダム事業を巡って、大きな動きがありました。
川辺川ダム建設にあたり、国土交通省が水没地域の土地及び漁業権の強制収用手続きを申請していた熊本県収用委員会が、本日の審理で「裁決申請の取り下げ」を国土交通省に対して勧告したのです。
そして更に「取り下げの期限を9月22日までとして、国土交通省がそれまでに取り下げない場合は次回の審理(9月26日)で審理を終結し、そのあと却下の裁決を郵送する」と通告を行ったのです。
国土交通省の前身である建設省時代も含め、国家による大規模公共事業の強制収用手続きに“ノー”という判断が下されるのは初めての出来事ではないでしょうか。
極めて異例といってもいいかもしれません。
審理開始から3年半近く経ての今回の県収用委員会の決断に、深く敬意を表します。
本日の審理の結果、国土交通省には「取り下げ」か「却下裁決」かという2つの選択肢しかありません。
計画が発表されてから40年という月日が流れ、過ぎ去った時代と共に川辺川ダム計画の目的は消失し、ダムに代わる治水案も提案されています。
国土交通省は勧告にしたがって申請を取り下げ、そして川辺川ダム計画の中止を選択するべきだと、ぼくは強く思います。
そして、そのような結果をぼくは強く求めます。
英断を期待しています。
2005.8/29
子どもの好奇心
無事に迎えた写真展初日のこと。
水路で遊ぶ子どもたちに交ざって、ぼくも靴を脱いで川へ入り、魚を採ったりして遊びました。
ヌマエビやメダカ、鮎などを捕まえては、子どもたちに手渡して握らせてみたり。
ほら、面白いでしょ。
と、語りかけるまでもなく、子どもたちは夢中になって魚を追ってました。
子どもの頃は、遊びの途中で「穴」を見つけると、必ずのぞき込んでいたのではないでしょうか。
木に空いた穴や岩の隙間を見つけるたびに、くすぐられた好奇心。
何か面白いものがあるのではと、期待に胸を膨らませ、のぞき込んだあの頃。
今回の展示方法は、観覧者が行動を起こすことで、はじめて写真を見ることができます。
それは水路に潜む魚を探す行為と、よく似ています。
2005.8/ 5
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